8. 公表日はなぜ変わる?――買収面積は夏に公表だったけれど…
夏になると気になる発表があります。
外資による土地買収面積です。
「どれだけ買われたか」について、農水省は毎年公表しており、森林については2010年から、農地については2019年からです。筆者はこれを心待ちしていて、今か今かと待っています。
公表日は毎年同じではありません。2010年以降を追ってみると、政府の内情が垣間見えます。
2010年(12月 9日)、2011年( 5月11日)、2012年( 5月11日)、
2013年( 4月12日)、2014年( 4月25日)、2015年( 4月24日)、
2016年( 4月27日)、2017年( 4月28日)、2018年( 4月27日)、
2019年( 5月31日)、2020年( 5月 8日)、2021年( 8月 3日)、
2022年( 8月 2日)、2023年( 7月18日)、2024年( 7月19日)
※ 、下線付は公表日が前年から変わった年。
このうち2011~12年の2年間は、農水省(林野庁)+国交省による連名公表でした。両省の調整に時間を要したことでしょう。
2013-18年の6年間は農水省(林野庁)単独による公表です。連名公表を国交省が嫌がったと推察されます。以後、国交省は外資による土地問題を避け続けていたように見えます。省トップ(大臣)が公明党出身だったからでしょうか?歴代大臣は与党内で法案の細かい部分にまで注文をつけ、新規制法を骨抜きにすることに成功※1したと見られます。
2019-24年の6年間は、森林に加え、農地(農水省経営局)も毎年同日に公表するようになりました。
2021年の公表日が5月➡8月へとズレたのは、その年、重要土地等調査法(2021年6月16日成立)の国会審議を控え、混乱を避けるねらいがあったと推察されます。
2021年以降の公表日は「記事枯れする夏」というのが慣例のようです。
今年(2025年)の公表はまだですが、これは外国人問題が争点となった参議院選(7月20日)の影響でしょうか?
少数与党の政府は、参政党、国民民主党等の出方を伺っているのかもしれません。
※1 外資の土地取引規制、突如ブレーキの不可思議 公明党が慎重姿勢、だが「低目の規制で手打ち」では意味がない(1/4) | JBpress (ジェイビープレス) 2021.3.18
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