私たちの大志Our Vision & Voices

国土資源総研レポート

11. 北海道の無許可開発

ニセコ・倶知安の隆盛がはじまって15年が過ぎました。

外資によるはじめての大規模土地買収は倶知安町岩尾別で、2008年でした。57haを香港のペーパーカンパニーが買収しました。

この商いを仲介した業者にヒアリングを申し込みましたが、断られました。この仲介業者Ⅿ社はその後、倶知安から、札幌、富良野へと支店を増やし、倶知安町観光協会長にまで駆け上がり、元北海道税理士会長とも連携しながら大きく発展されています。

北海道はここ15年で経済、政治、報道が大きく様変わりし、もはや海外(=中国)抜きではほとんど成り立たないエリアとなりました。

俱知安町では2年程前から、中国マネーが羊蹄山の山麓で「中国村」をつくる動きもありました。宿泊施設のみならず、村そのものをつくろうというもので、スーパー/マルシェや広場、ミネラルウォーターのボトリング蒸留所まで建設する構想です。「遊ぶ」だけでなく、「造る」「働く」ことも加えたビレッジ化プランで、周辺山林を60㏊も買占め、大規模工事を進めていました。ボトリング事業を道庁指定の水資源保全地域内ではじめる!という発想が古くて新しいです。美味しいミネラルウォーター生産を目論んでいたのでしょうが、本年6月、あえなく違法開発(3.9㏊)と違法建築等の法律違反が発覚し、事業は頓挫してしまいました。でもほとぼりが冷めた頃、事業を継承したという別の外資がきっと登場するはずです。

こうした外資(特に中国)による土地買収を擁護する一派があります。堀江貴文氏(ホリエモン)らですが、これについては回を改めて批評します。

比羅夫地区からみる羊蹄山(倶知安町)