私たちの大志Our Vision & Voices

ムクナ豆博士の日誌

16. 農家レストラン且緩々――コメとクリの味

生産者、加工販売者、消費者の三者がそれぞれ納得できる「三方よし」をめざす兵庫ムクナですが、その理想に近づけることは容易ではありません。

人の縁でお世話になることがほとんどです。弊社商品を納めさせていただいている農家レストラン且緩々(しゃかんかん)も、その一つです。

禅語の「落ち着いて、慌てず、焦らず、ゆっくりと」を店名にした且緩々は、香寺ハーブガーデン※2がはじめた地場産品づくしの自然食品レストランです。有機地場野菜、薬膳、デトックス……。清流と美しく素朴な自然に囲まれた場所でいただく昼食は、何物にも代えがたい至福の時間を体感できるでしょう。

9月29日の昼どき、且緩々を覗いてみたら満席でした。顧客の8~9割が女性で、そのうち過半が若い女性です。直売所で新鮮な地場野菜と香寺ハーブガーデン製の自然化粧品類を手にとり、購入されていました。

香寺ハーブガーデン(福岡譲一代表)は、地元に根降ろして37年。地域と協働しながらハーブを栽培し従業員が働いやすい環境をめざし、理想郷のような一つの村を奥播磨に作り上げました。

かつて”森林化社会の原初的なモデル(森林理想郷)は宮崎県奥地の五ヶ瀬町では”と見立てて書いたことがあります※3が、当時すでに、奥播磨の夢前町山之内地区では、森林理想郷の建設がはじまっていたのです。

農業生産と自然由来の食品・雑貨の販売――。決して派手な世界ではないですが、日々の地道な工夫の積み重ねが人の心を動かしていくのだと思います。

農家レストラン且緩々(姫路市夢前町山之内)
コメと彼岸花(姫路市安富町)
クリ(姫路市夢前町山之内)

※1 k1912hyogo-28.pdf
※2 http://www.koudera-herb.com/news/
※3 『森林理想郷を求めて』(1996年:中公新書)