私たちの大志Our Vision & Voices

国土資源総研レポート

2. 外資買収悲史2008-2025

かつて一度だけ、テレビに出演し、対談したことがあります。

櫻井よしこさんの有料チャンネルで、そのときつくってもらったパネルが残っていたのでそれを活用しながら、外資買収の今昔を紹介してみます。

2010年頃、外資買収については買収現場がどこにあるのか、まだ十分に掴めず、噂話に由来する懸念ばかりが先行していました。それゆえ、

「事例など一件もない」

「口裂け女や人面魚と同じ都市伝説だ…」

「目的なしには買わないものだ。動機が説明できない投資なんてあり得ない」

裏が取れていない話だと主要メディアは消極的な対応しかしませんでした。国交省や農水省も無視し続けました。

言いようのない不安を覚えた各自治体は2011年、国へ規制強化を求める嘆願書を100通近くも出しました。

そもそも火のないところに煙は立たないものですが、それでも国(政府)は動きませんでした。民主党政権(2009-2012)が長かったことも影響していたかもしれません。当時の買収状況を示したものが、日本地図①です。

ところが今や、増えすぎてニュースにもならなくなりました。人心はマヒして、当たり前の話になり、高値で外国人に売り抜けたい地主はそのことを隠さなくなりました。

こうした流れを良しとしてきた17年間の政治の結果が、日本地図②です。

若い世代とこれからの世代は「きっと困る」と思います。

日本地図①(2010年)
日本地図②(2025年)